事業承継・M&A補助金の不採択理由ワースト5と次回復活のための対策

「事業承継・M&A補助金に申し込んだのに、なぜか不採択...」事業承継やM&Aは、中小企業にとって大きな転換期。補助金は、その大切な一歩を後押ししてくれるはずなのに、不採択となってしまうと、落胆も大きいですよね。
この記事では、事業承継・M&A補助金で不採択となる理由を徹底分析し、次回の申請で採択を勝ち取るための対策を解説します。不採択理由をしっかりと理解し、対策を講じることで、未来を切り開きましょう!
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編集者の紹介

株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖
上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったM&A・PMIの専門家。3か月の経営支援にて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。
1. 事業承継・M&A補助金で不採択理由となる「要件不備」と「申請主体」のミス
事業承継・M&A補助金の申請で不採択となる理由の一つに、申請要件の不備や申請主体の誤りがあります。これらのミスは、申請書類の準備段階で注意深く確認することで回避できます。申請を検討している方は、まず以下の点に注意しましょう。
1.1. 中小企業定義の誤認と「みなし大企業」判定による形式的欠格補助金制度では、中小企業の定義が法律で明確に定められています。この定義を誤って認識していると、申請自体が無効になることがあります。
例えば、資本金や従業員数が一定の基準を超えている場合や、大企業に支配されている「みなし大企業」と判断されると、中小企業としての資格を失い、補助金の対象外となります。申請前には必ず中小企業基本法を確認し、自社が該当するかどうかを正確に判断しましょう。
経営革新事業の申請には、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の確認書が必須です。認定支援機関は、事業計画の策定や実行をサポートする専門家であり、その確認書は計画の実現可能性を保証する意味を持ちます。
しかし、連携不足や確認書の発行プロセスの遅延により、申請期限に間に合わないケースが見られます。認定支援機関との連携は早めに開始し、スケジュールに余裕を持って確認書を入手することが重要です。
補助金には、対象となる経費と対象外となる経費が明確に定められています。例えば、不動産取得費や車両購入費などは、一般的に補助対象外となることが多いです。
これらの経費を誤って計上してしまうと、申請全体が不採択となる可能性があります。また、事業計画の内容と経費の整合性が取れていない場合も、審査で不利になります。事業計画と経費の内訳を照らし合わせ、整合性を確認することが重要です。
2. 事業承継・M&A補助金の不採択理由ワースト1位:事業継続性とシナジーの欠如
事業承継・M&A補助金で最も多い不採択理由の一つは、事業計画における事業継続性とシナジー効果の欠如です。補助金制度は、単に事業を存続させるだけでなく、承継や統合を通じて企業の成長と発展を促すことを目的としています。そのため、以下の点に注意して事業計画を作成する必要があります。
2.1. 被承継側の経営資源(知的財産・顧客基盤)の引継ぎ計画が不透明なケース事業承継やM&Aにおいて、被承継側の持つ経営資源(知的財産、顧客基盤、技術力など)をいかに引き継ぎ、活用していくかは、事業の継続性を左右する重要な要素です。これらの経営資源の引継ぎ計画が不明確であったり、具体性に欠ける場合は、審査において事業の実現可能性が低いと判断される可能性があります。
計画書には、どのような経営資源を、どのように引き継ぎ、どのように活用していくのかを明確に記述する必要があります。
M&A後のPMI(Post Merger Integration:経営統合)は、M&Aの成否を大きく左右する重要なプロセスです。しかし、PMI体制の構築や統合作業の具体的な計画が不足しているケースが見られます。
例えば、組織文化の融合、システム統合、業務プロセスの標準化など、統合作業における具体的なマイルストーン(中間目標)を設定し、進捗管理の方法を明確に示す必要があります。
事業承継やM&Aは、既存事業との相乗効果を生み出し、企業全体の成長を加速させるものでなければなりません。しかし、既存事業との関連性が薄く、相乗効果が期待できない計画や、単なる投資と見なされる計画は、審査において評価が低くなる傾向があります。
計画書には、既存事業とM&Aによって得られる事業との連携によって、どのような相乗効果が生まれるのかを定量的に示す必要があります。例えば、売上増加率、コスト削減額、新規顧客獲得数など、具体的な数値目標を掲げ、その根拠を明確に説明することが重要です。
3. 財務基盤と計数計画の矛盾から見る事業承継・M&A補助金の不採択理由
事業承継・M&A補助金の審査では、事業計画の実現可能性を評価するために、企業の財務基盤と計数計画が厳しくチェックされます。財務状況が不安定であったり、計数計画に無理があると判断された場合、不採択となる可能性が高まります。審査における主なチェックポイントは以下のとおりです。
3.1. 付加価値額成長率(年率3%以上)の算出根拠となる市場分析の甘さ事業計画では、付加価値額成長率(年率3%以上)を達成するための明確な根拠を示す必要があります。しかし、市場分析が不十分であったり、競合他社の状況や市場トレンドを考慮していない場合は、成長率の算出根拠が乏しいと判断される可能性があります。
市場規模、成長性、競合状況などを詳細に分析し、自社の強みを活かした戦略を立てる必要があります。
補助事業を実施するためには、補助金だけでなく自己資金も必要となります。自己資金が不足している場合や、金融機関からの融資内定が得られない場合は、資金調達能力に疑問を持たれる可能性があります。自己資金の額、調達方法、金融機関との交渉状況などを具体的に示し、資金調達の見込みを明確にする必要があります。
3.3. デューデリジェンス費用と譲受対価のバランスが乖離した実効性の低い計画M&Aにおいては、デューデリジェンス(DD)と呼ばれる企業価値評価が重要です。DD費用と譲受対価のバランスが極端に乖離している場合、M&Aの妥当性や計画の実行可能性に疑問を持たれる可能性があります。DDの結果を踏まえ、適正な譲受対価を設定し、M&Aの合理性を説明する必要があります。
【関連】事業承継M&A補助金は会社分割を活用したM&Aでも補助金はもらえる?4. 次回申請で採択を勝ち取るための復活対策と不採択理由の分析法
事業承継・M&A補助金の申請で不採択となった場合でも、諦める必要はありません。不採択理由を分析し、改善策を講じることで、次回の申請で採択を勝ち取ることができます。ここでは、不採択からの復活に向けた具体的な対策と分析法を解説します。
4.1. 事務局へのヒアリングによる具体的な「評価不足点」の特定と改善不採択理由を特定するために、まずは事務局にヒアリングを試みましょう。事務局は、個別の不採択理由を詳細に教えてくれるわけではありませんが、申請書類のどの部分が評価されなかったのか、大まかな傾向を教えてくれる場合があります。ヒアリングで得られた情報を参考に、申請書類を見直し、改善点を見つけ出すことが重要です。
4.2. 経営力向上計画の認定取得と加点項目(賃上げ・DX)の戦略的追加補助金制度では、特定の要件を満たすことで加点される制度があります。例えば、経営力向上計画の認定取得や、従業員の賃上げ、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などは、加点対象となることが多いです。
これらの加点項目を戦略的に追加することで、審査において有利な評価を得ることができます。経営力向上計画は、比較的容易に取得できる認定制度であり、加点対策として有効です。
M&A補助金の申請には、専門的な知識やノウハウが不可欠です。M&A仲介会社やコンサルタントなどの専門家選びは、採択の可能性を大きく左右します。
専門家を選ぶ際には、過去の採択実績や専門分野、料金体系などを比較検討し、自社のニーズに合ったパートナーを選定することが重要です。また、複数の専門家から話を聞き、相見積もりを取ることで、より適切なパートナーを見つけることができます。
5. 採択事例から学ぶ!成功のポイントと注意点
事業承継・M&A補助金の採択事例を分析することで、成功のポイントや注意点が見えてきます。ここでは、実際の採択事例を参考に、どのような事業計画が評価されるのか、どのような点に注意すべきかを解説します。
5.1. 成功事例1:株式会社A社の事業承継と新規事業展開株式会社A社は、老舗の食品製造業であり、後継者不足に悩んでいました。そこで、M&Aによって、異業種の株式会社B社に事業を承継することを決断しました。A社は、補助金を活用して、B社のノウハウを取り入れ、新たな冷凍食品事業に参入しました。
具体的には、B社の冷凍技術を活用し、A社の伝統的な製法で作られた食品を冷凍販売することで、新たな販路を開拓しました。この事業計画は、地域経済の活性化に貢献するとして高く評価され、補助金の採択に至りました。
合同会社B社は、ITベンチャー企業であり、事業拡大のために、同業の株式会社C社をM&Aによって買収することを決断しました。B社は、補助金を活用して、C社の持つ顧客リストや技術力を獲得し、新たなクラウドサービス事業に参入しました。
具体的には、C社の顧客リストを活用し、B社のクラウドサービスを販売することで、顧客基盤を拡大しました。また、C社の技術力を活用し、B社のクラウドサービスの機能を強化することで、競争力を高めました。この事業計画は、IT業界の発展に貢献するとして高く評価され、補助金の採択に至りました。
これらの事例から、採択される事業計画書には、以下の共通点があることがわかります。
- 明確な課題意識:事業承継やM&Aを行う必要性を明確に説明している。
- 具体的な事業計画:新たな事業展開や経営革新の内容を具体的に説明している。
- 定量的な効果:売上増加率、コスト削減額、新規顧客獲得数など、具体的な数値目標を掲げている。
- 地域経済への貢献:地域経済の活性化に貢献する可能性を示している。
- 実現可能性:計画の実行可能性を裏付ける根拠を示している。
まとめ
事業承継・M&A補助金の不採択理由と対策、いかがでしたでしょうか? 補助金申請は、企業の未来を左右すると言っても過言ではありません。 採択されるためには、単に書類を埋めるだけでなく、制度の趣旨を理解し、自社の強みを最大限にアピールすることが重要です。
今回の記事を参考に、ぜひ次回の申請で採択を勝ち取り、事業承継・M&Aを成功させてください。 未来に向かって力強く前進されることを、心より応援しています!
- 要件不備と申請主体のミスをなくす
- 事業継続性とシナジーを明確にする
- 財務基盤と計数計画の矛盾をなくす
- 事務局へのヒアリングを積極的に行う
- 専門家選びを再考する


