PBR(株価純資産倍率)とは?PER(株価収益率)の違いを徹底比較

PBR(株価純資産倍率)とは?PER(株価収益率)の違いを徹底比較

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公開日:2024年9月7日
最終更新日:2026年8月10日

PBRは純資産、PERは利益を基準に株価を測る指標です。ROEや業種平均、過去推移も組み合わせると、数値の裏側まで確認できます。

1. PBRとPERの違いを株価評価から比較する

項目

PBR

PER

基準

純資産

利益

計算式

株価÷BPS

株価÷EPS

主な着眼点

資産価値・財務基盤

収益力・成長期待

一般的な目安

1倍

15倍前後

PBRは、株価が帳簿上の純資産に対して何倍かを示します。一方、PERは株価が1株利益の何倍まで買われているかを表します。

したがって、PBRは資産を多く持つ企業の安全性や資産価値を確認する場面に向いています。PERは利益の安定性や将来の成長性を比べる場面で使いやすい指標です。

【文脈】PBRとPERの違いを初心者が一目で理解するための比較図 1-1. PBRは株価と一株純資産を比べる指標

PBRは「Price Book-value Ratio」の略で、日本語では株価純資産倍率と呼ばれます。株価が1株あたり純資産、つまりBPSの何倍かを示す指標です。

純資産は、企業の総資産から負債を差し引いた金額です。理論上、会社を解散して負債を返済した後に株主へ帰属する価値であるため、解散価値と表現されることもあります。

1-2. PERは株価と一株利益を比べる指標

PERは「Price Earnings Ratio」の略で、株価収益率を意味します。株価を1株あたり利益であるEPSで割り、現在の株価が利益の何年分に相当するかを確認します。

たとえばPERが10倍なら、現在の利益が同じ状態で続くと仮定した場合、株価が1株利益の10年分に相当します。ただし、実際の利益は景気や一時的な損益で変動します。

1-3. 利益と資産のどちらを見るかで使い分ける

利益が安定し、成長率を比較したい企業ではPERを重視します。設備や土地などの資産が多く、財務基盤を確認したい企業ではPBRが役立ちます。

ただし、どちらか一方で買い判断を完結させるのは危険です。PBRで資産面、PERで利益面を確認し、ROEで資本を効率よく使えているかを補います。

2. PBRとPERの計算式を数値例で理解する

PBRとPERは、証券会社の画面に表示される数値をそのまま見るだけでなく、分子と分母の意味を理解すると読み間違いが減ります。

PBR=株価÷BPS

BPS=純資産÷発行済み株式数

PER=株価÷EPS

EPS=当期純利益÷発行済み株式数

株価が1,000円、BPSが500円ならPBRは2倍です。株価が1,000円、EPSが100円ならPERは10倍となります。

同じ株価でも、BPSやEPSが変われば指標は変わります。株価だけでなく、決算による純資産と利益の変化も確認する必要があります。

2-1. PBRの計算式とBPSを決める純資産

PBRは「株価÷BPS」で求めます。BPSは「純資産÷発行済み株式数」であり、1株あたりに帰属する帳簿上の純資産を示します。

純資産には資本金や利益剰余金などが含まれます。ただし、土地の含み損益、減損、会計上計上されないブランドや技術力は、帳簿価額と実際の価値をずらす要因です。

2-2. PERの計算式とEPSに含まれる利益

PERは「株価÷EPS」、EPSは「当期純利益÷発行済み株式数」です。純利益には本業以外の損益や税金も反映されるため、単年度の特殊要因で大きく変動します。

実績PERは確定した過去の利益を使います。予想PERは会社予想など将来の利益を使うため、成長期待を読みやすい一方、業績修正で数値が変わる点に注意が必要です。

2-3. PBR0.8倍とPER10倍を計算してみる

株価を800円、BPSを1,000円、EPSを80円と仮定します。PBRは800円÷1,000円で0.8倍、PERは800円÷80円で10倍です。

この数値だけなら、資産面でも利益面でも低い評価に見えます。しかし、利益が減少中ならEPSはさらに下がり、資産の減損があればBPSも減少します。同業他社と過去推移を必ず確認します。

3. PBR1倍割れとPER15倍を比較して読む

PBR1倍とPER15倍前後は、株価水準を考える際の目安です。ただし、業種、収益性、成長率、市場全体の評価によって適正水準は変わります。

東証は2023年3月、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を上場企業へ要請しました。2025年9月時点では、PBR1倍割れ企業の割合はプライム市場44%、スタンダード市場59%でした。

3-1. PBR1倍は純資産と株価が等しい状態

PBR1倍は、株価とBPSが同じ状態です。株価が1,000円、BPSも1,000円ならPBRは1倍となり、市場価格と帳簿上の1株純資産が一致します。

1倍割れは、株価がBPSを下回る状態です。理論上は純資産より安く買える一方、市場が将来の赤字や資産価値の低下を織り込んでいる可能性もあります。

3-2. PBR1倍割れでも割安とは限らない理由

低PBRの背景は、少なくとも三つに分けられます。赤字が続く企業、資産を持つが収益性が低い企業、業績が一時的に悪化した企業です。

  • 赤字企業:損失で純資産が減少する可能性

  • 低収益企業:資産を利益に変えられていない可能性

  • 一時悪化企業:回復余地がある可能性

特に工場や不動産の帳簿価額が実態より高い場合、将来の減損でBPSが下がることがあります。低PBRは値札ではなく、市場からの問題提起として読むべきです。

3-3. PER15倍前後を業種と成長率で見直す

PER15倍前後は市場全体を比較する目安ですが、絶対的な買い基準ではありません。利益成長率が高い企業ならPER20倍でも合理化でき、成熟企業ならPER10倍でも割高になり得ます。

同業他社のPER、過去数年のレンジ、景気循環の位置を確認します。景気敏感株では利益がピークのときPERが低く見えるため、数字の逆張りには注意が必要です。

【文脈】PBR1倍とPER15倍の目安を 4. PBR・PER・ROEを四象限で銘柄分析する

PBR・PER・ROEを組み合わせると、銘柄を「資産評価」「利益評価」「資本効率」の三方向から確認できます。PBRとPERの関係には、概念上ROE=PBR÷PERという式も成り立ちます。

分類

特徴

確認点

低PBR・低PER・低ROE

割安に見えるが資本効率に課題

事業改善、資産の実態

低PBR・低PER・高ROE

効率よく稼ぐ割安候補

一時利益でないか

高PBR・高PER・高ROE

成長期待が織り込まれた企業

成長率と期待の妥当性

高PBR・高PER・低ROE

期待先行の可能性

利益計画と株価水準

4-1. ROEがPBRとPERをつなぐ仕組みを確認する

ROEは「当期純利益÷自己資本」で、株主資本を使ってどれだけ利益を生んだかを示します。一般的な目安として10%程度が挙げられますが、業種差があります。

PBRが高くてもROEが高ければ、資本効率の高さが評価されている可能性があります。逆に低PBR・低PERでもROEが低ければ、資産を持て余している可能性があります。

4-2. 業種平均と同業他社の範囲を決めて比べる

比較対象は、同じ業種名だけで決めません。売上規模、事業構成、地域、顧客層、設備の重さ、収益モデルが近い企業を複数選びます。

たとえば情報通信業と銀行業では、資産構成も利益の出方も異なります。業種平均は入口として使い、最終的には競合企業と過去の自社水準を照合します。

4-3. 過去推移と予想値を組み合わせて判断する

現在のPBRやPERを、過去数年の高値・安値レンジと比べます。PBRが低くてもBPSが減少中なら、株価だけが安いとは限りません。

予想PERを見るときは、売上や利益の前提、会社予想の修正履歴を確認します。予想が外れた場合は、修正後のEPSでPERを再計算する必要があります。

【文脈】PBR・PER・ROEを組み合わせて銘柄を4分類し 5. PBRとPERで迷ったときの判断手順を整理する

証券会社の銘柄検索画面では、最初から低PBRや低PERだけで絞り込まないことが重要です。次の順番で確認すると、数値の裏側を追いやすくなります。

  1. 業種と事業構成を確認する

  2. PBR、PER、ROEを同時に見る

  3. 同業他社と過去推移を比較する

  4. 決算書で利益、純資産、負債を確認する

  5. 成長見通しと株主還元方針を確認する

この手順は、株価の安さを探す作業ではなく、安い理由を分解する作業です。低PBR・低PERが、改善余地を示すのか、構造的な衰退を示すのかを見極めます。

5-1. 赤字企業ではPER以外の指標を確認する

赤字企業はEPSがマイナスになるため、PERが表示されないか、比較しにくい数値になります。PBR、PSR、営業利益、現金残高、フリーキャッシュフローを確認します。

売上が伸びていても営業キャッシュフローがマイナスなら、資金調達への依存度を確認します。現金と有利子負債の差も見て、赤字が続く期間に耐えられるかを考えます。

5-2. 低PBR銘柄を財務状態別に選別する

財務健全性が高く、利益が安定している低PBR企業は、見直し候補になり得ます。自己資本比率、現金、負債、営業キャッシュフローを確認します。

低収益企業では、ROE、営業利益率、資産回転率を見ます。資産価値に懸念がある企業では、固定資産の減損、在庫、投資有価証券の内容を確認します。

5-3. 四象限分析から買い判断を急がない条件

低PBR・低PERでも、業績悪化、ROE低下、配当維持による財務悪化が続くなら、買いを急ぐべきではありません。数値が低いまま合理的な理由があるためです。

反対に高PBR・高PERでも、利益成長、ROE、キャッシュフローが計画どおりなら評価が妥当な場合があります。決算の進捗、予想修正、競争優位性を最後に確認します。

6. PBRとPERの違いに関するよくある質問(FAQ) 6-1. PBR1倍割れならすぐ買ってよいですか

すぐに買う判断はできません。ROE、利益の安定性、純資産の実態、業種平均、過去推移を確認し、低評価の理由が改善可能かを見極めます。

6-2. PERとPBRはどちらを優先すべきですか

企業の収益性や資産構成で変わります。成長企業はPER、資産の安全性を重視する企業はPBRを軸にし、ROEと同業比較を加えます。

6-3. 予想PERと実績PERはどう使い分けますか

実績PERは確定業績の確認に使い、予想PERは将来の利益見通しを判断する材料にします。会社予想の前提、修正履歴、達成状況も確認します。

7. おすすめ商品: 手取りを重視するならM&A PMI AGENTの特徴と選び方

株式のPBRやPERは、企業価値を資産と利益から見る指標です。会社売却や事業譲渡では、譲渡価格だけでなく、仲介手数料、税金、実費、引継ぎ条件を差し引いた手取り額が重要になります。

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8. まとめ

PBRは株価と純資産、PERは株価と利益を比べる指標です。PBR1倍、PER15倍前後は目安ですが、業種や成長性によって解釈は変わります。

銘柄を選ぶときは、PBR・PER・ROEを組み合わせ、同業他社と過去推移を比較します。最後に決算書で利益、純資産、負債、キャッシュフローを確認し、低い数値の理由を確認してください。

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編集者の紹介

日下部 興靖

株式会社M&A PMI AGENT

代表取締役 日下部 興靖

上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったM&A・PMIの専門家。3か月の経営支援にて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。

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