通販会社売却:M&Aでの株式譲渡と事業譲渡を徹底比較

M&Aで通販事業の売却を考えている経営者の皆様へ。会社を売却する方法には、大きく分けて「株式譲渡」と「事業譲渡」があります。どちらを選ぶべきか、悩んでいませんか?
この記事では、それぞれの違いを徹底的に比較し、あなたの会社にとって最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。M&Aの専門家ではない方にもわかりやすく、メリット・デメリット、税金の違い、手続きの流れなどを解説します。これを読めば、M&Aの全体像を把握し、自信を持って売却戦略を立てられるはずです。
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編集者の紹介

株式会社M&A PMI AGENT
代表取締役 日下部 興靖
上場企業のグループ会社の取締役を4社経験。M&A・PMI業務・経営再建業務などを10年経験し、多くの企業の業績改善を行ったM&A・PMIの専門家。3か月の経営支援にて期首予算比で売上1.8倍、利益5倍などの実績を持つ。
1. 通販会社M&Aにおける株式譲渡と事業譲渡の基本
通販会社をM&Aで売却する際、株式譲渡と事業譲渡は、それぞれ異なる特徴を持つ重要な選択肢です。どちらを選ぶかによって、手続きの流れ、税金、従業員の取り扱いなどが大きく変わってきます。ここでは、それぞれの基本的な仕組みと注意点について解説します。
1.1 株式譲渡とは?M&Aでの基本的な仕組み株式譲渡とは、会社の株主が、その保有する株式を別の会社や個人に売却することで、会社の経営権を移転させるM&Aの手法です。中小企業では、オーナー経営者が株式の大部分を持っていることが多いため、後継者不在の場合などに事業承継の手段としてよく用いられます。買い手は、株式を取得することで会社を丸ごと引き継ぐことができます。
1.1.1 株式譲渡の流れ- 株式譲渡契約の締結
- 取締役会での承認
- 名義変更手続き
- 代金決済
事業譲渡とは、会社が持つ事業の一部または全部を、別の会社に売却する方法です。売り手は、譲渡する資産や負債、契約、従業員などを個別に選択できるため、不採算事業からの撤退や、主力事業への集中といった目的で利用されます。買い手は、必要な事業や資産だけを選んで取得できるため、リスクを抑えた事業拡大が可能です。
1.2.1 事業譲渡の流れ- 事業譲渡契約の締結
- 株主総会の特別決議
- 譲渡効力発生
- 資産の引き渡し
- 代金決済
M&Aで株式譲渡と事業譲渡を選択する際には、以下の点に注意が必要です。
- 売り手側の視点:将来的に同業種での事業再開を考えているか、税負担を考慮しているか
- 買い手側の視点:簿外債務のリスクをどこまで許容できるか、必要な許認可をスムーズに引き継げるか
これらの要素を総合的に判断し、自社の状況に合ったM&Aの手法を選択することが重要です。
【関連】EC事業譲渡で売却の意思決定と最適なタイミング2. 株式譲渡と事業譲渡:通販会社M&Aでのメリット・デメリット比較
通販会社をM&Aで売却する際、株式譲渡と事業譲渡のどちらを選ぶべきか悩む方は多いでしょう。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを比較し、どのような場合にどちらが適しているのかを解説します。
2.1 株式譲渡のメリット:手続きの簡素化とスピード株式譲渡の最大のメリットは、手続きが比較的シンプルで、短期間でM&Aを完了できることです。会社を丸ごと譲渡するため、個別の資産や契約の移転手続きが不要となり、従業員の雇用や取引先との関係も包括的に引き継がれます。
2.1.1 株式譲渡のメリット- 手続きが簡単でスピーディー
- 従業員や取引先との関係をそのまま引き継げる
- 株主個人の税負担が軽くなることが多い
株式譲渡のデメリットは、会社の資産・負債をすべて引き継ぐため、簿外債務や偶発債務のリスクを負うことです。過去の未払い残業代や、将来発生する可能性のある訴訟などが、M&A後に発覚するケースもあります。
2.2.1 株式譲渡のデメリット- 簿外債務や偶発債務のリスクがある
- 一部の事業だけを手元に残すことができない
事業譲渡のメリットは、譲渡する事業や資産を柔軟に選択できることです。不採算事業を切り離し、優良な事業だけを譲渡することで、買い手はリスクを抑えたM&Aが可能です。また、売り手は、売却後も会社を存続させることができます。
2.3.1 事業譲渡のメリット- 譲渡対象を柔軟に選択できる
- 簿外債務のリスクを回避できる
- 会社を存続させることができる
事業譲渡のデメリットは、手続きが煩雑になることです。資産や負債、契約などを個別に移転させる必要があり、取引先との契約や従業員の雇用契約を再度結び直す必要があります。また、事業に必要な許認可は、買い手が新たに取得し直さなければならない場合が多いです。
2.4.1 事業譲渡のデメリット- 手続きが煩雑で時間がかかる
- 税務上の注意点が多い
- 従業員や取引先との再契約が必要
3. 通販会社M&Aにおける株式譲渡と事業譲渡の税金の違い
M&Aで会社を売却する際、税金は手取り額に大きく影響する重要な要素です。株式譲渡と事業譲渡では、課税対象や税率が大きく異なります。ここでは、それぞれの税金の違いと、節税対策について解説します。
3.1 株式譲渡における税金:株主への課税と税率株式譲渡では、株主が株式を売却して得た利益(譲渡所得)に対して、税金が課されます。税率は、株主が個人の場合と法人の場合で異なります。
3.1.1 個人株主の場合譲渡所得に対して、所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%を合わせた合計20.315%が課税されます(申告分離課税)。
3.1.2 法人株主の場合譲渡益は他の所得と合算され、法人税等が課税されます。
3.2 事業譲渡における税金:法人税、消費税の影響事業譲渡では、取引の主体や対象資産によって複数の税金が発生します。
3.2.1 売り手側(法人)事業の譲渡益に対して法人税等が課税されます。法人実効税率は、資本金によって異なりますが、約30%程度です。
3.2.2 買い手側譲渡対象の資産に応じて消費税が課税されます(土地や有価証券などを除く)。また、不動産を取得した場合は不動産取得税や登録免許税も発生します。
3.3 税金対策:専門家を活用した節税方法の検討M&Aにおける税金対策は、複雑で専門的な知識が必要です。税理士などの専門家を活用し、自社の状況に合わせた節税方法を検討することをおすすめします。
3.3.1 節税対策の例- 役員退職金の活用:株式譲渡の場合、譲渡所得の一部を役員退職金として受け取ることで、税負担を軽減できる場合があります。
- 事業譲渡のスキーム検討:事業譲渡では、譲渡対象資産を調整することで、消費税の負担を軽減できる場合があります。
4. 事業譲渡における従業員の取り扱いと注意点
事業譲渡を行う際、従業員の取り扱いは非常に重要な問題です。従業員の雇用契約、説明、モチベーション維持など、注意すべき点が数多くあります。ここでは、事業譲渡における従業員の取り扱いと注意点について解説します。
4.1 従業員の雇用契約:承継、再雇用、退職の手続き事業譲渡では、従業員の雇用契約は自動的に承継されません。そのため、従業員の雇用を継続するには、以下のいずれかの手続きが必要です。
4.1.1 雇用契約承継売り手と買い手の合意のもと、従業員の雇用契約を買い手に承継する方法です。従業員の同意が必要です。
4.1.2 再雇用売り手企業を退職後、買い手企業と新たに雇用契約を結ぶ方法です。従業員一人ひとりの同意が必要です。
4.1.3 退職事業譲渡を機に退職する従業員には、退職金などを支払う必要があります。
4.2 従業員への説明:M&Aの目的と将来のビジョン事業譲渡を行う際は、従業員への丁寧な説明が不可欠です。M&Aの目的や、事業譲渡後の会社のビジョン、従業員の待遇などを明確に伝え、不安を解消することが重要です。
4.2.1 説明会の実施従業員全体を対象とした説明会を開催し、M&Aの概要や目的、今後の事業計画などを説明します。
4.2.2 個別面談の実施従業員一人ひとりと個別面談を行い、個別の質問や不安に対応します。
4.3 従業員のモチベーション維持:不安解消とキャリアパスの提示事業譲渡後も、従業員のモチベーションを維持することが重要です。雇用の安定や、新たなキャリアパスの提示など、従業員が安心して働ける環境を整備することが求められます。
4.3.1 モチベーション維持策の例- 雇用の継続を保証する
- 新たなキャリアパスを提示する
- インセンティブ制度を導入する
5. 通販会社M&A:株式譲渡・事業譲渡の手続きと流れ
M&Aの手続きは、専門的な知識や経験が必要となる複雑なプロセスです。ここでは、株式譲渡と事業譲渡の手続きと流れについて解説します。
5.1 専門家への相談:M&A仲介会社、弁護士、税理士の選定M&Aを成功させるためには、M&A仲介会社、弁護士、税理士などの専門家のサポートが不可欠です。自社の状況やニーズに合った専門家を選定し、M&Aの初期段階からアドバイスを受けることをおすすめします。
5.1.1 専門家の選び方- 実績と経験:M&Aの支援実績や、業界の知識が豊富かどうかを確認する
- 専門性:法務、税務、財務など、必要な専門知識を持っているかを確認する
- 相性:自社の担当者との相性が良いかを確認する
専門家のアドバイスを受けながら、譲渡価格や条件などの交渉を行い、契約書を作成します。契約書には、譲渡対象、譲渡価格、支払い方法、表明保証、秘密保持義務など、重要な条項が盛り込まれます。
5.2.1 契約交渉のポイント- 自社の希望条件を明確にする
- 相手方の条件をよく理解する
- 専門家のアドバイスを受けながら、交渉を進める
契約内容に基づき、譲渡を実行します。株式譲渡の場合は、株式の名義変更手続きを行い、事業譲渡の場合は、資産の引き渡しや契約の移転手続きを行います。クロージング後も、従業員の引き継ぎや、取引先との関係維持など、事後手続きをしっかりと行うことが重要です。
【関連】通販ならではの事業譲渡のM&A手続き完全ガイドまとめ
通販会社のM&Aにおける株式譲渡と事業譲渡は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。M&Aを成功させるためには、自社の状況や目的に合わせて、最適な手法を選択することが重要です。
M&Aを検討する際には、まず専門家に相談し、自社の企業価値を評価してもらうことから始めましょう。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に手続きを進めることで、M&Aを成功に導くことができるはずです。M&Aは、あなたの会社を新たなステージへと導く大きなチャンスです。
この記事が、その第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。今後の事業展開を応援しています。


